暖かさは、羽毛選びから始まる。
寒い季節に欠かせないダウン製品。その品質を左右するのは、 羽毛の量やフィルパワーだけではありません。羽毛の産地や飼育環境、洗浄・精製の工程、そして羽毛の特性を活かす製品設計。それぞれの積み重ねが、快適な暖かさにつながっています。
ナンガがどのような考え方で羽毛を選び、その品質を製品へと活かしているのか。ダウンの基本的な仕組みとともに、ナンガのものづくりへのこだわりをご紹介します。
ナンガが選ぶ羽毛と、その品質
ダウン製品の品質を考えるうえで、まず大切なのが羽毛そのものの品質です。羽毛の膨らみや復元力は、保温性だけでなく、 長く使い続けるうえでの快適性にも関わります。
ナンガでは、製品の用途や求められる性能に応じて、品質にこだわった羽毛を選定しています。その代表的な素材のひとつが、 スペイン産ダックダウンです。
良質な羽毛を育む、産地と飼育環境
ナンガが採用するスペイン産ダックダウンは、フランスとスペインの国境に連なる ピレネー山脈の東側で育った水鳥から採取されます。
この地域は昼夜の寒暖差が大きく、水鳥が寒さに適応しながら成長する環境にあります。こうした飼育環境と十分な成長期間は、良質な羽毛を育むための重要な要素です。

約80日間の飼育が育む、羽毛の品質
ナンガが採用するスペイン産ダウンの原料となる ムラード種は、約80日間かけて飼育されています。 一般的なペキン種と比較して、成長に時間をかけていることが特徴です。

十分に成長した水鳥から得られる羽毛は、しっかりとした構造を持ち、膨らみや復元力に優れる傾向があります。こうした特性は、空気を含む力や、繰り返し使用した際の膨らみの回復にも関係します。
ただし、羽毛の品質は産地や飼育期間だけで決まるものではありません。羽毛そのものの状態や、その後の洗浄・精製によっても左右されます。
ナンガが重視するのは、 羽毛が持つ本来の品質。空気をたっぷりと含む膨らみだけでなく、その膨らみを取り戻す復元力も、良質なダウンを選ぶうえで大切な要素です。
ダウンの暖かさを生む仕組み
ダウンが暖かい理由を理解するためには、まず羽毛が持つ保温の仕組みを知ることが大切です。
ダウンそのものが熱を生み出しているわけではありません。暖かさの鍵となるのは、羽毛が膨らむことで生まれる空気の層です。

羽毛がつくる空気の層が、暖かさを保つ
ダウンは、中心から細かな羽枝が 放射状に広がる構造をしています。この構造によって、羽毛の間に多くの空気を含むことができます。
空気は熱を伝えにくい性質を持っています。ダウンが空気を含んで膨らむことで、体から外へ逃げる熱を抑え、暖かさを保つことにつながります。
つまり、ダウンの保温性を支えているのは、羽毛そのものだけではなく、羽毛がつくり出す空気の層なのです。
フィルパワー(FP)が示すもの
ダウンの品質を表す指標のひとつに、 フィルパワー(FP)があります。
フィルパワーとは、 一定の条件下で羽毛がどれだけ膨らむかを示す、かさ高性の指標です。 一般的に数値が高いほど、少ない重量でも大きなボリュームを生み出しやすいことを意味します。
ただし、フィルパワーが高いほど、すべてのダウン製品が必ず暖かくなるというわけではありません。
製品としての保温性は、羽毛の封入量やキルト構造、使用する生地、フィット感、そして使用環境などによっても変わります。
暖かさを決めるのは、フィルパワーだけではありません。 羽毛の品質・封入量・製品設計。それぞれのバランスが、 製品としての保温性を支えています。
ナンガでは、こうしたダウンの特性を踏まえ、羽毛の品質を選び抜くことに加えて、その力を引き出す精製工程や 製品設計にもこだわっています。
羽毛本来の力を引き出す、国内精製
良質な原毛を選ぶことは、ダウン製品づくりの出発点です。しかし、羽毛の品質を製品に活かすためには、その後の洗浄・精製工程も欠かせません。
ナンガでは、国内の羽毛精製メーカーである河田フェザーの技術を活かし、羽毛の洗浄・精製と品質管理を行っています。

超軟水による洗浄で、羽毛を清潔に
羽毛には、採取された段階で 汚れや余分な油脂分などが含まれています。こうした不純物を取り除き、羽毛本来の状態に整えることが、 洗浄工程の重要な役割です。
河田フェザーでは、ミネラル分の少ない超軟水を用いた羽毛の洗浄を行っています。超軟水を使用することで、羽毛の細かな部分まで洗浄し、 汚れや余分な油脂分を取り除きます。
丁寧な洗浄は、羽毛を清潔に保つだけでなく、羽毛が本来持つ膨らみやすさを 引き出すことにもつながります。
清浄度2,000mmという品質水準
羽毛の清潔さを評価する指標のひとつが、清浄度です。
清浄度は、羽毛を水で振とうした後の 試験液の透明度を測定するもので、 数値が高いほど不純物による濁りが 少ないことを示します。
河田フェザーで精製される ナンガの羽毛については、清浄度2,000mmという高い水準が 品質の特徴として挙げられています。
羽毛を清潔な状態に整えることは、ダウン製品を快適に使い続けるための 大切な品質管理のひとつです。
※ここでの「2,000mm」は羽毛の清浄度を示す数値であり、 生地の耐水圧を表すものではありません。
洗浄・乾燥・選別を重ねる精製工程
羽毛の精製では、不純物を取り除く除塵や洗浄、羽毛の状態を整える乾燥、品質に応じた選別など、複数の工程が行われます。
それぞれの工程を通して、羽毛の清潔さや膨らみを確認しながら、製品に適した品質へと整えていきます。

良質な羽毛を選び、 その力を丁寧に引き出す。 原毛の品質に加えて、 国内での洗浄・精製と品質管理を重視することが、 ナンガのダウンづくりを支えています。
羽毛の特性を活かす、ナンガの製品設計
良質な羽毛を選び、 丁寧な精製によってその力を引き出す。しかし、羽毛の品質が高いだけで、優れたダウン製品が完成するわけではありません。
羽毛が持つ保温性を実際の製品に活かすためには、使用する環境や目的に合わせた設計が必要です。
用途に合わせて考える、暖かさのための構造
ダウンジャケット、寝袋、掛け布団。同じダウンを使用する製品でも、求められる暖かさや使い心地は異なります。
例えば、ダウンウェアでは、暖かさに加えて動きやすさや着心地が重要になります。一方、寝袋では、就寝時の保温性に加えて、収納性や使用する環境への対応も求められます。
ナンガではそれぞれの製品に求められる機能を考え、羽毛の封入量やキルト構造、使用する生地などを組み合わせています。
羽毛の膨らみを活かしながら、製品としての保温性や快適性を追求すること。それもまた、ナンガのものづくりにおける大切な考え方です。
目的に応じて使い分ける、ダウンの種類
ナンガでは、製品の用途やコンセプトに応じて、異なる特性を持つ羽毛を使い分けています。
フィルパワーや原毛の種類、撥水加工の有無など、それぞれのダウンが持つ特性を踏まえて 製品に適した素材を選定しています。
| ダウンの種類 | FP | 主な特徴 |
|---|---|---|
| DX | 760FP | スペイン産ホワイトダックダウン。 保温性と品質のバランスを重視した羽毛。 |
| UDD DX | 770FP | 超撥水加工を施したダウン。水分による羽毛の膨らみの低下に配慮した素材。 |
| SPDX | 860FP | ポーランド産ホワイトグースダウン。高いかさ高性を備えた羽毛。 |
| ULDX | 930FP | ハンガリー産シルバーグースダウン。非常に高いかさ高性を持つ羽毛。 |
| Re:CYCLE DOWN | 製品による | 回収した羽毛を再生・再利用するリサイクルダウン。 |
※記載のFPや羽毛の仕様は代表的な例です。 実際の仕様は製品・モデルによって異なる場合があります。 詳細は各商品ページをご確認ください。
ダウン製品を選ぶ際に大切なのは、フィルパワーの数値だけで判断するのではなく、使用する気温やシーン、必要な保温性、重量、収納性などを 総合的に考えることです。
ナンガは、羽毛そのものの品質と、その特性を活かす製品設計の両面から、快適に使い続けられるダウン製品を追求しています。
ナンガのダウンについて、よくある質問
Q. ダウンはなぜ暖かいのですか?
ダウンが膨らむことで羽毛の間に空気の層が生まれ、 体の熱が外へ逃げるのを抑えるためです。羽毛が空気をたっぷりと含んで膨らむ性質が、 暖かさを支えています。
Q. フィルパワーが高いほど暖かいですか?
フィルパワーは羽毛のかさ高性を示す指標ですが、製品の暖かさはFPだけでは決まりません。羽毛の封入量やキルト構造、 使用する生地、使用環境なども関係します。
Q. ナンガはどのような羽毛を使用していますか?
ナンガでは、製品の用途や求められる性能に応じて、 スペイン産ダックダウンをはじめ、さまざまな特性を持つ羽毛を採用しています。原毛の品質に加え、洗浄・精製や品質管理も重視しています。
Q. ナンガがダウンの品質で大切にしていることは何ですか?
羽毛の産地や品質を考慮した素材選び、国内での丁寧な洗浄・精製、そして用途に合わせた製品設計です。羽毛が持つ特性を活かし、快適に使い続けられる製品づくりを大切にしています。
Q. ダウン製品は何を基準に選べばよいですか?
使用する気温やシーン、必要な保温性、重量などを基準に選ぶのがおすすめです。フィルパワーだけでなく、羽毛の封入量や製品全体の仕様もあわせて確認しましょう。
ナンガのダウン製品を支えているのは、羽毛そのものの品質だけではありません。素材を選ぶこと、その力を引き出すこと、そして製品としての暖かさや快適性へとつなげること。その一つひとつの積み重ねが、ナンガのものづくりを形づくっています。
ダウンの特性や品質へのこだわりを知ることは、自分の使い方に合った一着や寝袋を選ぶための第一歩です。